アラサーだってさー

教育関係のお仕事をしているアラサーだってさー

逆ギレの構造

 

 



 

教師の仕事の内容は雑務や教科指導、部活動指導といろいろあるが、どの場面でもついてまわるのが生徒を指導することだ。

 

生徒がまじめに授業に取り組まない時、おしゃべりが止まらず集中できない時、誰かをからかったりする時、いろんな指導の仕方があるが、時には叱ることも必要だ。

これは先生にとっても非常に大変な仕事でかなり体力がもっていかれる。

 

 

そして怒られた生徒は、時間がたち冷静になってくると、わかってくれることも多いが、やはり怒られたすぐの時は頭に血がのぼっていることもあり対応が難しい。

 

生徒が落ち着くのを待つとともに、自分の中で自分の行動を客観的に考えてもらうためにじっくり話をすることになるが、ここである一定数の子は話し合いの中で逆ギレをする。

なにが悪かったかなどいろいろ話をするが、なんとかこちらのミスを探そうとする。

「さっきは○○といっただろ、言ってることが変わっている」とか

「お前のその言い方がおかしい。 謝れ。」

時にはむちゃくちゃなことに対していちゃもんをつける。

 

そして、どの生徒も不思議で最後は自分が怒られているのに謝れといってくる。

 

 

こういう子たちとはなししているとわかるのだが、

彼らの世界の中では、なにか指導されているときは先生と生徒は今喧嘩をしているような感覚であり、とにかく負けては行けないと考えている。

そして、指導され始めた時は自分が失敗したことに対し先生が攻撃してきていると感じている。自分が不利なので、とにかく相手を攻撃できるところを探そうとする。使える道具ならとにかく振り回して、こちらに言葉で投げつける。

 

それはもうなんでも手についたものはとにかく投げてくる。

「お前の口調が偉そうだ」「先生としておかしいんちゃうんか」「さっき手をつかんだとき、力が強かった。暴力していいと思っているのか」

少しでもこちらが言いよどむと、その投げたものが武器として有効と判断し今度はそれをしっかり手にもって戦おうとする。

 

さらに彼らのルールの中では、自分の非は相手の非を見つければ打ち消されると思っている。 こっちは確かに、ダメなことを下かもしれないが、お前も悪いところがあるだろう。だからお互い様だ。という理論だ。

もちろんこれはおかしくて、打ち消し合うなんてことはない。

それぞれ非があるなら、それらはそれぞれ独立に悪いことであり、おたがいにちゃんと非を認めないといけない。

なにか2人の間で問題が起こり、一人のほうが60くらい非のあることをし、もう一人が40の非を犯したからといって、片方が20悪く、もう一方が悪く無いなどということにはならない。

 

60の悪いことは絶対どんなことがあろうが60悪いことだし、40悪いことは相手が40悪いことをしたからといってチャラにはならない。 しかし、ここを勘違いしている子が結構多い。

 

このチャラ理論を持っているのはなにも生徒だけとは限らない。非常にいまの世の中に溢れていると思う。

クレームをいれる人がむちゃくちゃなことをいい、それが受け入れられないと、対応がおかしい。言い方がおかしい。前はいけるって行ったのに言ってることが変わってる。態度がでかい。誠意が見えない。

とにかく相手のマイナスを探し、自分のマイナスと打ち消そうとする。

 

こんなわかりやすい例だけではない。 自分は正しいことをしていると思ってこのようなチャラ理論を振りかざしている人がかなりいる。

例えば、なにか問題を起こした人がtwitterでそれを自慢している場合の対応だ。この問題を起こしたことはどうしようもない馬鹿なことだと思う。 しかし、だからといって、身元を特定し、学校や職場にクレームの電話を入れるのはおかしいのではないのか。ここにもやはりセンセーはチャラ理論を感じる。

 

特定し、クレームをいれる人の言い分では、悪いことをしたやつなんだからそんな奴には罰を与えて良いということなんだろう。 それはつまり、相手の非が100なんだから自分の非が20であることは相手がやったことに比べれば全然小さなことだ。

自分が20やったとしても相手はもっと悪い80なんだからしょうがない。 このような考えが無いだろうか。

 

 

「いじめられる奴はいじめられる理由がある。」

これもよく持ちだされる理論で、学校の生徒だけでなく、保護者でいう人もいるし、ネットにもよくこの考え方を持ちだしいじめられる側を避難する声がある。

しかし、いじめられる側にいつも空気を読まないという非が30あったとしても、いじめる側がする100の無視やリンチは別物だ。

30は30の非として存在し、100の非はそれとは別に100の非なのだ。 その2つの数字はぶつかることはないし、打ち消し合うこともありえない。