特別でも何でもない特別指導。なぜこんなに効果があるのか?
4月から新しい学校に新任として働くようになった。部活も主顧問となり休みがない。さらになかなか生徒指導の大変な学校ということもあり毎日があっという間に過ぎていく。お昼が食べれないのでたいじゅうへるへる
一番大変なのは1年生だ。しかも春は入ってきたばかりで落ち着くことができず、毎日問題が起こっている。特別なこととしてではなくごくありふれて生徒指導の場面が存在する。
生徒指導はなにか大きなことが起こる前に声掛けをしておくだとか、小さなことが大切だとは言われる。それによって大きな事件の防止につながる。いろんなところやいろんなひとによっていわれることだ。
しかし、いくらがんばっても問題はおこる。
生徒同士のけんかや万引き、深夜徘徊、暴言、暴力。
そんなことを起こしてしまった生徒に待っているのが特別指導だ。
『特別指導』…だいたいの人が知らずに高校生活を終えると思うが限度を超えた問題行動を生徒が起こした場合行われる指導のこと
特別指導に入ると、クラスの授業から抜き出されて別室で生活をすることになる。
そこでは、起こしてしまった問題についてじっくり考えていくために、作文を書いたり、いろんな先生に話をしてもらったり、授業プリントをおこなったりする。
特別指導とは基本的には上に書いたことを毎日おこない、先生がその生徒がもとの生活に戻ってもやっていけると判断された時点で指導解除となる。
その間の生徒同士の接触は原則禁止されていて、朝は多少いつもより早く、帰りは遅くなっている以外、ほぼそれまでと同じような生活をする。「特別指導」というとどんなやんちゃな生徒もある種の恐れをもっているものだが、中身はこんなものだ。
そしてぶっちゃけるとほとんどがその他の生徒が授業で行っているプリントを別室で埋めるのが特別指導だ。 もちろん、その別室にはつねに監督の先生はいるが
そしてこの別室に一人で勉強するというのが落着けない生徒に非常によく”効く”
授業中、ほんとうにじっと座っていられない生徒や、10秒と黙ってはいられない生徒がこの特別指導を1週間もうけるとかなり落ち着くことができるようになる。
このことがセンセーにとってはすごく不思議だった。
授業でやっていることと同じことを別室で1人でやるだけでなぜ落ち着くようになるのか? 教室でその生徒と話をしようとしてもまったく会話にならなかったのに、別室ではなぜこんなに話を落ち着いて聞けるのか?
放課後職員室で、60才を過ぎて定年したあと再任用で働いている大先輩に話を聞いてみた。
「やっぱり、じっくりかかわることができるからじゃないか」
とのこと、
そういう生徒はどんな形であれ関わってもらうことを求めているんだって、
そんな単純なもんかな~~ とか思いながら4月から一向に尽きない特別指導に向かう毎日です。